『12歳の少年が書いた量子力学の教科書』

2017年7月22日「放送大学の本棚」への投稿

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近藤龍一)『12歳の少年が書いた量子力学の教科書』(ベレ出版, 2017), 関連科目->量子と統計の力学

森山さんが紹介された「シュレディンガーの猫」の近くに10冊くらい並べられていました。タイトルにあるとおり著者が12歳の時に書いたんだそうです。著者9歳にして量子力学を究めようと志したんだそうです。藤井4段ブームもあり出版社もこれは売れると踏んだんではないでしょうか。

この本は専門書のような高みには達していないものの、入門書としてはかなり踏み込んだ内容を持っており、著者曰く「中間書」つまり専門書と入門書の橋渡しとなるような本、という位置付けになっています。

学術書はなんでもそうだと思いますが、入門書はやたら万人ウケを狙ってわかり易さに腐心した本がたくさん出ていますが、専門書になると急に分かりにくくなって絶壁のような敷居の高さを誇るのが通例となっているものです。それはそうで、専門分野に一旦踏み出せば、その著者は専門家としての沽券にかかわるので、ついつい分かりやすさなんか2の次の本ができていくらしいのです。そういうことで、この本は希少な量子物理学の中間書としての社会的役割を担っているわけです。

放送大学の「量子と統計の力学」をこれから履修する私としては、襟を正して真剣にこの本を読んで見たいと思います。読み手として年長者の余裕は微塵もないのです。